レンズ式に迫る!レンズ補正ピンホール式プラネタリウムの自作

1号機ピンホール式 2号機 LHPP-2 3号機 LHPP-3 4・5号機スターボール 製作のアドバイス

ピンホール式の欠点である昼行灯の様な薄暗い星像を、
4等星まで百均のレンズで改善させた、プラネタリウム投影機の自作。
投影機表面のピンホールにレンズの芯を合わせるだけで、光軸調整などは原則不要。
星数は7等星までで、約15,000個。1〜6等星まではポグソン定数をほぼクリアしています。
本格的な(?)ピンホール式の作り方などのアドバイス等

今回の主役3号機「ローテク・ハイブリット・ピンホール式プラネタリウム」略してLHPP−3



丸いドームではなく、幅8m・高さ6mの三角屋根のチャペルに投影している関係上、手前の星像が乱れています。
恒星球(投影機)は市販ミキシングボールで直径48cm、7等星はピンホール径0.5mm、1等星は7.5mmです。
使用した100均の老眼鏡は、D1〜D3、1等星は本来の1/3に小さくなっています(結像はさせていません)。
二重星やプレアデスもレンズ補正、天の川はアクリルにエポキシ接着剤を使って再現。
光源は2V5AのWPSを使用
内部のネットをモーターで揺らすと、星や天の川がチラチラ・ユラユラします。
他に5WのパワーLED 8個を内蔵していて、無数の星を投影できるスターボール機能を備えています。
(2018年3月)



ピンホール式とレンズ補正式の原理、製作のアドバイスのページで詳しく述べさせていただきます。

8個のパワーLEDで無数の光を写すスターボール機能
LEDの配置面と恒星球の回転軸がずれているため、3次元的な複雑な動きを演出できます。
何故こんな機能があるかというと、岐阜にある結婚式場の演出用だからです。
星好きの方には公開いたしますので、是非見に来てください。 連絡先は「グランフレハウス」まで。

  

スターボール専用投影4・5号機
チャペル両側に、3号機のLHPP3のスターボールに特化した投影機を設置
プラネタリウムではありません。

 1年半前、星好きのカップルにプラネタリウム投影の提案をいたしました。
で、40年前に製作した1号機を引きずり出してみると、天の川の部分が変色し、使い物にならない状態です。
そこで新たに作るとして、昨今のピンホール式がどうなっているのかまずネットで調べますが、 あまり製作者がいないせいか、恒星球にリスフィルムを使う方法以外、あまり進歩が見られません。 フィルムを使う方法は、つなぎ目や耐久性に難点があり、今回も大型のアルミボールを使うこととします。
 よく恒星球を大きくすると高性能になると思われがちですが、実は正解でもあり間違いでもあります。 仮にピンホール径が同じで恒星球を2倍にしたとすると、星像の直径は1/2になります(微恒星は回折が小さくなり更にシャープになります)。 イイジャンと思うのは早合点で、これでは明るさが1/4になってしまい、明るい星のピンホールを2倍しないととても暗い投影になります。
 その解決策として光が拡散しなけばと、4等星以上に凸レンズを付けることとしました。 幸い100均の老眼鏡がピッタリで、レンズの中心(光学的に)を切り出して使用、度数Dは不自然にならないよう等級ごとに変えてあります。
苦労の甲斐あってピンホール式とは思えない明くシャープな投影ですが、レンズ周辺の星が時に犠牲になるなど欠点もあります。
     

製作した各プラネタリウムの紹介(現在製作中も)


ピンホール式は簡易型で入門用、レンズ式に劣っている?
実際最近の高性能なレンズ式プラネタリウムを目の当たりにすると、ピンホールはおもちゃに見えます。
しかし、個人やクラブなどで製作する小さなプラネタリウムの場合、ピンホール式は便利な方法と考えられます。
各方式に個人的な勝手な意見を述べさせていただくと、

単純ピンホール式
[長所]
光・工学等の知識があまりなくても、製作可能。
パンフォーカスなので、殆ど無調整でどこでも投影可能。
内部がスカスカで色んな工夫ができる。
恒星の手直しも簡単。
[欠点]
光源に制限があり、現状では小型ドーム用。
なんと言っても星像が甘い。
(薄暗い円盤に、回折リングが取り巻いた様な情けない星像、小さい星は、ボケたドーナツ状)
大型化しても得るものが少ない。

光学式
[長所]
全体にシャープ(ただし、レンズ解像力や回折によって近くで見ると意外と甘い)
光源を自由に選べるので、明るく、大型化が可能。
恒星原板のピンホールを機械的に製作でき、簡単に星数を増やせる。
[短所]
最大の問題は製作が非常に難しいこと。やわい造りだと調整・維持が難しい。
恒久的なドームに設置しないと、設置・維持に手間がかかる。

以上、こんなところかな?
     

      

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